地域コミュニティ創生におけるマンション管理組合の潜在能力(2)

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[前回]に引き続き、マンション管理組合のポテンシャルについて、更に、防災面で考えてみたいと思います。
 

 

■防災意識の高まり

 

 

少し前まで、マンションは、都会生活の典型と呼ばれ、「隣は何をする人ぞ」といった具合に、近隣との付き合いが極めてドライな関係であるとされていました。しかし、東日本大震災をきっかけとして、これが見直されつつあります。やはり、近所との日頃の付き合いが、万が一の助け合いに繋がるという意識が、大いに強くなってきています。
 
マンションでは、理事会が中心となって、防災体制の構築に注力しているところも多数あります。防災訓練も工夫を凝らして実施しているマンションがありますし、防災備品についても予算を組み、しっかりと整備するところも増えています。しかし、このような訓練や備品の整備以上に大切なのが、日頃のからのコミュニケーションでしょう。

 

 

■江戸時代の「町火消制度」とは?

 

 

地域防災の歴史をひも解くと、江戸時代中期の「町火消制度」を設けたところに行きつきます。
 
「これは、様々な主体の参加・連携による地域コミュニティ主導の「共助」「自助」など地震防災体制の仕組みとしては最初のものであった。」(「今後の地震対策のあり方について報告」中央防災会議「今後の地震対策のあり方に関する専門調査会」)とのことです。
 
「町火消制度」は、江戸の町での防災防火対策の組織として成り立ちましたが、農村では、「五人組」という組織が、防災防火体制の中心的な役割として成り立っていたとのことです。

 

 

■マンション管理組合こそ、相互補助の意識が強い

 

 

マンションは、一戸建て住宅と異なり、壁ひとつ、天井床下一つで、住居が隣接する特殊な形態にあります。また、分譲マンションは、賃貸マンションと異なり、管理組合が成り立ち、自治の仕組みが出来上がっています。
 
だからこそ、同じ屋根の下に住む共同住宅の形態として、住民同士の相互補助の意識が醸成されやすく、また、日頃のコミュニケーションも活発に行われやすい土壌が既に備わっているといえます。よって、江戸時代のような、地域コミュニティ主導の「共助」「自助」組織が、現代のマンション管理組合において、作り上げることが可能ではないかと考えます。

 

 

■マンション管理組合のリーダーから、地域コミュニティのリーダーへ

 

 
更に、マンション管理組合が、防災体制を構築する際に、重要なポイントは、やはり、リーダーの存在でしょう。
 
江戸時代の「町火消制度」では、「いろは四十八組」など、地域コミュニティの中心として存在するリーダー的な役割がありました。
 
当然のことながら、マンション管理組合は、理事長が中心となった防災委員会などの専門委員会により、マンションの防災体制について、試行錯誤しながらも、組み立てていく必要があります。
 
そして、この防災体制が、マンション内に限らず、近隣地域との連携に及ぶことで、地域に根差した防災体制が構築できると考えています。マンション管理組合には、地域の「核」としての役割を担うことができるポテンシャルが、十分に存在するように思います。
 
次回は、このブログの最終稿として、「日本全体からみた地域社会の中で、マンション管理組合の潜在能力」をまとめて論じます。
 
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アゴリア㈱ TGK本部 エバンジェリスト
*TGKとは、「地域コミュニティを元気に変える」の略称です。