理事長のためのファシリテーション技術(3) 理事会運営を阻害する悪癖②

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前回、「理事会運営を阻害する悪癖として、代表的な3つの阻害要因」を取り上げ、この阻害要因の原因として「集団思考の落とし穴」がある、と述べました。今回は、この「集団思考の落とし穴」について説明します。
 
「集団思考の落とし穴」は、5つあります。

 

 

■理事会運営で注意しなければならない5つの「落とし穴」

 

 

  1. 参加意識の欠如
     
    これは、「私一人ぐらい参加しなくてもいいだろう」とか、「意見を言わなくてもいいだろう」という会議における希薄な参加意識をベースとした他力本願の意識です。マンション管理組合の理事は、主体的に立候補する方はごく僅かですので、輪番制で致し方なく就任する理事の意識に多く見られる現象です。
  2.  

  3. 感情的対立
     
    理事会での議論において意見の対立が起きた場合、そもそもの対立の原因が、「あの人は嫌い」というような感情的な心理に基づいた対立のケースになります。本来的には、「感情」を排した事実ベースでの議論を行うべきなのです。つまり、「誰が言っているか」ではなく、「何を言っているか」という意識が、議論には欠かせません。
  4.  

  5. 声高少数派の影響
     
    声が大きい人の発言には迫力があり、全体の理事会の雰囲気が、あらぬ方向に持っていかれることもよくあることです。そのため、声が小さく、目立たないけれども、正しい意見を見落としてしまうケースがあります。
  6.  

  7. 集団圧力、同調行動
     
    理事会おいて多数派の意見に同調する行動をとることがあります。これは、目に見えぬ集団圧力ということができますが、日本人の特性ともいえる大きな問題があるようにも感じます。聖徳太子の十七条憲法の第一条に「和をもって貴しとなす」とある通りです。しかし、「和」と「同」を区別して考えるべきでしょう。孔子の論語には、「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」とあります。
  8.  

  9. 集団愚考
     
    これは、心理面での特性に根差したもので、「他者より自分の意見の方が、正しく、明快である事を示したい」との意識により、例えば、理事会においても、「極端な意見の競争」や、反対に、「多数派受けする意見」が結論となるケースを言います。理事一人一人の意見は、優れているものの、理事会全体で議論したうえでの結論となると、その良さを損なった、適切な解決策とは言えない結論になるケースです。

 

 

■理事会運営を阻害する原因を解決する。

 

 
以上のように、「集団思考の落とし穴」である理事会運営における阻害の原因を、意識レベルに基づいた注意点を明らかにしたわけですが、これまでの理事会運営を振り返ると、思い当る部分もあるのではないでしょうか。
 
次回より、このような「集団思考の落とし穴」に陥らない理事会運営の仕方「ファシリテーションの技術」について、説明しましょう。
 
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アゴリア㈱ TGK本部 エバンジェリスト
*TGKとは、「地域コミュニティを元気に変える」の略称です。