マンション管理組合におけるリーダーシップ(10) 理事長のバランス力 ②

Bookmark this on Yahoo Bookmark
LINEで送る
Pocket

今回は、「短期的意思決定」と「長期的意思決定」のバランスについて、述べたいと思います。

 

 

マンション理事長に求められる「短期的意思決定」と「長期的意思決定」のバランスについて

 

 

企業におけるリーダーシップとして、トップによる迅速な意思決定がよく求められるところです。

 

しかし、非営利組織であるマンション管理組合の理事会においては、迅速な意思決定には、リスクが伴います。フラットな組織形態における合意形成が求められるところだからです。

 

その反面、合意形成を求めすぎるがために、いつまでも、意思決定ができず、問題への対処の機会を失うことも沢山あるでしょう。

 

両方のバランスをどのように行えばよいのでしょうか。

 

この「短期的意思決定」と「長期的意思決定」のバランスについては、前回説明した「個別の問題」と「全体の問題」のバランスとあわせ、次のようなマトリクスによる管理を上げたいと思います。

 
 
マンション管理組合、理事長の意思決定マトリクス

 

 

縦軸に「全体」と「個別」。横軸に「長期」と「短期」とし、4象限に、マンション管理組合における課題や問題を具体的にプロットします。

 

(上記にプロットした課題は、あくまでも事例であり、マンション毎に異なるでしょう。)

 

  • 第1象限

    全体的な問題であり、且つ、長期的な意思決定が求められる課題です。

     

    例えば、大規模修繕は、マンション管理組合におけるもっとも大きなイベントです。多額の資金と期間を要することになりますので、できる限り多くの区分所有者の納得性、合意形成を目指さなくてはなりません。

  •  

  • 第2象限

    全体的な問題であり、且つ、短期的な意思決定が求められる課題になります。

     

    例えば、管理会社との業務委託契約契約の更新が上げられます。

  •  

  • 第3象限

    個別の問題であり、且つ、長期的な意思決定を伴うものです。

     

    事例として上げた「ゲートの設置」は、車両の出入口に自転車が通る道がありましたが、衝突の危険があるとの居住者の声から、ゲートを設置するかどうかを課題として上げたものです。ゲートを設置する場合、生活導線が変わることも考慮して、意思決定が求められる事例となります。

  •  

  • 第4象限

    個別問題であり、短期的な意思決定が求められる課題となります。

     

    事例として上げたのは、居住者からの要望として、隣接住戸の騒音問題を解決してもらいたい、という声をプロットしました。

 

以上のように、4つの象限で、管理することで、できる限り多数決の合意形成を目指す課題と、理事長としての速やかな意思決定を行う課題が、明確になるというメリットがあります。

 

さらに踏み込んでお伝えすると、多数決の合意形成が中心となるマンション管理組合である反面、ここにリーダーである理事長個人の意思決定という問題が生じてきます。

 

この意思決定については、次回で説明します。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アゴリア㈱ TGK本部 エバンジェリスト
*TGKとは、「地域コミュニティを元気に変える」の略称です。